0. 一般的に、「焦点距離」と「画角」は対応していません。
画角を求めるには、センサーサイズとかフィルムサイズと呼ばれる値を考慮する必要があります。
また、業界によってフィルムの「縦」、「横」、「対角」のどれで大きさを表すかが異なるので、注意が必要です。
また、全く同じカメラ、プロジェクターでも撮影、映写モードによって実質的な大きさが変わる場合が多いので、注意が必要です。
また、魚眼レンズの場合「焦点距離」と「画角」にはなんの関係もありません。
また、多くのカメラ、プロジェクター、スクリーンがいわゆる「余白」の存在を想定しているので、注意が必要です。
つまり、本当の画角は実験で求めるしかありません。
サンプルファイル
http://www2.11moon.com/sample_files2018 ... us_100.zip
1. ピンホールカメラ

解説ムービー
http://www2.11moon.com/sample_files2018 ... inhole.mp4
ピンホールカメラにはレンズがなく、したがって焦点距離もありません。
ピンホールからフィルムまでの距離は自由で、画角もそれによって変化します。
レンズによる収差がなく優れた光学系ですが、「暗い」という欠点があります。
2. 単レンズ

http://www2.11moon.com/sample_files2018 ... single.mp4
単レンズの場合はレンズの中心が「主点」となり、ここから「焦点」までの距離を「焦点距離」といいます。
主点の定義は、「入射光と出射光交差するところ」もしくは「光が曲がるところ」です。
フィルムは焦点位置に置く必要があり、フィルムサイズが決まれば画角も決まります。
単レンズは15世紀ごろから20世紀初頭まで普通に使われていました。
単純ですが、各種の光学収差が出ます。
3. ガウス型(ダブルガウス型、対称型)

http://www2.11moon.com/sample_files2018 ... /gauss.mp4
ガウス型の場合はレンズ群の中心が「主点」になります。
フィルムは焦点位置に置く必要があり、フィルムサイズが決まれば画角も決まります。
ガウス型は19世紀ごろから現在に至るまで使われています。
スマートフォンのカメラや標準から中望遠の固定焦点レンズはほとんどがガウス型です。
バランスがよく、少ないレンズ枚数で各種の光学収差を補正できます。
ただし、主点の後ろにレンズが来るため一眼レフ用の広角レンズを作れないという欠点があります。
4. レトロフォーカス型

http://www2.11moon.com/sample_files2018 ... ofocus.mp4
レトロフォーカス型の場合、主点がレンズ群の後方に来ます。
フィルムは焦点位置に置く必要があり、フィルムサイズが決まれば画角も決まります。
レトロフォーカス型は20世紀後半から現在に至るまで使われています。
現在使われている広角レンズやズームレンズはほとんどがレトロフォーカス型です。
バランスは悪いのですが、レンズの後ろに主点をずらせるので、一眼レフ用の広角レンズを作れるという利点があります。
また、レンズを動かすことでズームレンズを作れます。
ただしレンズ枚数が10〜20枚になるため、大きく重く高価で画質も落ちます。
5. 魚眼レンズ

http://www2.11moon.com/sample_files2018 ... sh_eye.mp4
魚眼レンズは、レトロフォーカス型の超広角レンズの前に歪みレンズを追加したレンズです。
意図的に画像を歪ませるので、一般的なレンズとは比較できません。
魚眼レンズの画角は普通180度ですが、この画像の直径が小さいものは焦点距離が短くなり(APS用では4.5mm)、
大きいものは長くなります(中判用では30mm)。
6. 画角を調べるためのテンプレート

http://www2.11moon.com/sample_files2018 ... et_FOV.mp4
画角は、「焦点距離とフィルムサイズ」、もしくは「投影距離とスクリーンサイズ」から計算できます。
画角= 2*atan((フィルムサイズ/2)/焦点距離)