X-Particlesについて
Posted: 2013年7月31日(Wed) 21時32分
X-Particles 2.0を使ってみました。以下に要点を書きます。
1. X-Particlesのサイトは以下の通り。
http://www.x-particle.com
私が翻訳した日本語リソースは以下の通り
http://www2.11moon.com/xparticles/062/strings_jp.zip
2. X-ParticlesはThinkingParticlesより簡単か。
「オブジェクトの表面からパーティクルを出す」といった、標準機能だけで表現できることなら確かに簡単にできます。
しかし、「オブジェクトが衝突した位置からパーティクルを出す」といった、外部との連携が必要な表現になるとThinkingParticlesより難しくなります。
理由は、TPが初めからそういう使い方を前提として「XPressoの中で一元的に組んでいく」のに対して、
X-Particlesでは、「外部からの情報を取得するXPresso」と「XPressoとの連携ができるように組んだX-Particles」を連動させる必要があり、
どこで何が行われているのかを把握するのが困難になるからです。
X-Particlesの中にはPythonが組み込まれているので、XPressoの中でやっていることを全部Pythonで書けばX-Particlesの内部で作業を完結できます。
しかし、これはこれでThinkingParticlesより格段に難しい作業になります。
3. X-Particlesの標準機能だけでどこまでできるか。
X-Particlesには非常に多くの機能が入っているので、標準機能だけでいろんなことができるのは事実です。
しかし、外部(つまり、普通のオブジェクトやMoGraphやTPなど)と連携させる場合には、上のような困難が発生します。
そして、私の経験で言うと、仕事の種類にもよるでしょうが、外部との連携なしで表現できる仕事は一割以下です。
4. X-ParticlesのThinkingParticlesに対するアドバンテージ。
現在CINEMA 4Dに搭載されているThinkingParticlesは10年以上前に開発されたものです。XPressoも十年以上変わっていません。
それに対してX-Particlesは新しいので、この十年間にでてきたいろんな機能や考え方や表現方法を取り込んでいる、というのが一つのアドバンテージです。
もう一つ、標準機能に関してX-Particlesはエクスプレッションに依存していないので、ThinkingParticlesに比べて桁違いに速く動きます。
これは明確なアドバンテージなので、XPressoを連動させる場合でもパーティクルを一個一個XPressoに通すのではなく、
エミッタやモディファイアを通して間接的に連動させるのが正しい使い方だと思います。
5. X-Particlesの流体に関して。
X-Particlesに入っている「流体」は擬似的なもので、本質的にはソフトボディに近い働きをします。
しかし、RealFlowのようにマジメにやれば簡単にリアルな流体が作れるという訳でもないので、
これはこれでいいと思います。
むしろ、ThinkingParticlesに比べて多くのパーティクルを置けることと、優秀なメタボール機能が付いていることのほうが、
液体を表現する上では重要だと思いました。
ただし、それでもRealFlowのような「きれいな水」を表現するのは無理です。
技術的には「表面張力」が考慮されていないからなのですが、サンプルにもあるように「お好み焼き」風の流体になります。
6. X-Particlesで気体(炎)を作れるか。
炎を表現するには、パーティクルよりシェーダのほうが重要なのですが、X-Particlesには炎を表現するためのシェーダは特に入っていないので、
PyroClusterやヘアに依存することになります。そのために、X-ParticlesにはThinkingParticlesを生成する機能があります。
ここら辺もう少しがんばってほしかった。
7. X-Particlesはどんな表現に向いているか。
液体や炎を表現できないので、フォトリアルな方向では使えません。
その代わり、内部にいろいろな機能がついているし、標準機能でもある程度は外部の機能やオブジェクトと連携できるので、
MoGraphと同様、CINEMA 4Dの標準機能を生かす方向で、モーショングラフィックに使うのが一番合っていると思います。
実際、トレーサーのように軌跡をスイープNURBSに入れることができますし、X-ParticlesをCINEMA 4Dのダイナミクスで解析することもできます。
また、MoGraphのクローンからX-Particlesを出したり、X-Particlesをクローンに衝突させることもできます。
また、X-Particlesの標準機能を使わず、ThinkingParticlesのようにほとんどをXPressoの中で組んでいくことも(おそらく)できます。
8. X-Particlesを買うべきか。
X-Particlesは現在35000円ぐらいです。
R11まではBroadastでThinkingParticlesを使えたのですが、R12以降はStudioを買わないと使えません。
そういう意味で、Broadcastを使ってモーショングラフィックをやっている人は買うべきだと思います。
X-Particlesはかなりの機能がMoGraphとかぶりますが、逆にMoGraphが解っていればX-Particlesを使うのも楽ですし、
組み合わせて使えるケースも多々あると思います。
これに対して、Studioを使っていてかつTPを使えている人は、すぐにX-Particlesを買う必要はないと思います。
X-Particlesを購入したのにThinkingParticlesを止められない、とか余計面倒になった、というケースもあり得ると思います。
しかし、物量的、機能的な理由で現在のTPに限界を感じているのなら、X-Particlesを使うことでかなり改善されるでしょう。
また、Studioを使っていて、TPを使えていない人は、次の点を考慮した上でX-Particlesを買うようにしてください。
8a. 総合的に、X-ParticlesはThinkingParticlesより難しく、当然MoGraphより格段に難しい。
8b. したがって、ThinkingParticlesを使えない人がX-Particlesを購入しても使いこなせない可能性が高い。
1. X-Particlesのサイトは以下の通り。
http://www.x-particle.com
私が翻訳した日本語リソースは以下の通り
http://www2.11moon.com/xparticles/062/strings_jp.zip
2. X-ParticlesはThinkingParticlesより簡単か。
「オブジェクトの表面からパーティクルを出す」といった、標準機能だけで表現できることなら確かに簡単にできます。
しかし、「オブジェクトが衝突した位置からパーティクルを出す」といった、外部との連携が必要な表現になるとThinkingParticlesより難しくなります。
理由は、TPが初めからそういう使い方を前提として「XPressoの中で一元的に組んでいく」のに対して、
X-Particlesでは、「外部からの情報を取得するXPresso」と「XPressoとの連携ができるように組んだX-Particles」を連動させる必要があり、
どこで何が行われているのかを把握するのが困難になるからです。
X-Particlesの中にはPythonが組み込まれているので、XPressoの中でやっていることを全部Pythonで書けばX-Particlesの内部で作業を完結できます。
しかし、これはこれでThinkingParticlesより格段に難しい作業になります。
3. X-Particlesの標準機能だけでどこまでできるか。
X-Particlesには非常に多くの機能が入っているので、標準機能だけでいろんなことができるのは事実です。
しかし、外部(つまり、普通のオブジェクトやMoGraphやTPなど)と連携させる場合には、上のような困難が発生します。
そして、私の経験で言うと、仕事の種類にもよるでしょうが、外部との連携なしで表現できる仕事は一割以下です。
4. X-ParticlesのThinkingParticlesに対するアドバンテージ。
現在CINEMA 4Dに搭載されているThinkingParticlesは10年以上前に開発されたものです。XPressoも十年以上変わっていません。
それに対してX-Particlesは新しいので、この十年間にでてきたいろんな機能や考え方や表現方法を取り込んでいる、というのが一つのアドバンテージです。
もう一つ、標準機能に関してX-Particlesはエクスプレッションに依存していないので、ThinkingParticlesに比べて桁違いに速く動きます。
これは明確なアドバンテージなので、XPressoを連動させる場合でもパーティクルを一個一個XPressoに通すのではなく、
エミッタやモディファイアを通して間接的に連動させるのが正しい使い方だと思います。
5. X-Particlesの流体に関して。
X-Particlesに入っている「流体」は擬似的なもので、本質的にはソフトボディに近い働きをします。
しかし、RealFlowのようにマジメにやれば簡単にリアルな流体が作れるという訳でもないので、
これはこれでいいと思います。
むしろ、ThinkingParticlesに比べて多くのパーティクルを置けることと、優秀なメタボール機能が付いていることのほうが、
液体を表現する上では重要だと思いました。
ただし、それでもRealFlowのような「きれいな水」を表現するのは無理です。
技術的には「表面張力」が考慮されていないからなのですが、サンプルにもあるように「お好み焼き」風の流体になります。
6. X-Particlesで気体(炎)を作れるか。
炎を表現するには、パーティクルよりシェーダのほうが重要なのですが、X-Particlesには炎を表現するためのシェーダは特に入っていないので、
PyroClusterやヘアに依存することになります。そのために、X-ParticlesにはThinkingParticlesを生成する機能があります。
ここら辺もう少しがんばってほしかった。
7. X-Particlesはどんな表現に向いているか。
液体や炎を表現できないので、フォトリアルな方向では使えません。
その代わり、内部にいろいろな機能がついているし、標準機能でもある程度は外部の機能やオブジェクトと連携できるので、
MoGraphと同様、CINEMA 4Dの標準機能を生かす方向で、モーショングラフィックに使うのが一番合っていると思います。
実際、トレーサーのように軌跡をスイープNURBSに入れることができますし、X-ParticlesをCINEMA 4Dのダイナミクスで解析することもできます。
また、MoGraphのクローンからX-Particlesを出したり、X-Particlesをクローンに衝突させることもできます。
また、X-Particlesの標準機能を使わず、ThinkingParticlesのようにほとんどをXPressoの中で組んでいくことも(おそらく)できます。
8. X-Particlesを買うべきか。
X-Particlesは現在35000円ぐらいです。
R11まではBroadastでThinkingParticlesを使えたのですが、R12以降はStudioを買わないと使えません。
そういう意味で、Broadcastを使ってモーショングラフィックをやっている人は買うべきだと思います。
X-Particlesはかなりの機能がMoGraphとかぶりますが、逆にMoGraphが解っていればX-Particlesを使うのも楽ですし、
組み合わせて使えるケースも多々あると思います。
これに対して、Studioを使っていてかつTPを使えている人は、すぐにX-Particlesを買う必要はないと思います。
X-Particlesを購入したのにThinkingParticlesを止められない、とか余計面倒になった、というケースもあり得ると思います。
しかし、物量的、機能的な理由で現在のTPに限界を感じているのなら、X-Particlesを使うことでかなり改善されるでしょう。
また、Studioを使っていて、TPを使えていない人は、次の点を考慮した上でX-Particlesを買うようにしてください。
8a. 総合的に、X-ParticlesはThinkingParticlesより難しく、当然MoGraphより格段に難しい。
8b. したがって、ThinkingParticlesを使えない人がX-Particlesを購入しても使いこなせない可能性が高い。